夢枕獏「混沌の城」上下 カッパノベルス版 感想
一言で言うと、すごく洗練された力強い能力バトル活劇って感じだろうか。
江戸時代+現代文明みたいな世界観は魅力的でキャラクターも立っている(最近のテンプレートや安直なギャップ 、奇行に頼り切った「個性豊かなキャラクター」とは全く違う)。
片桐とか ああいう頭が良くてどんなときでも冷静で生命への執着が凄い人が本当に強いんだろうなって思う、それにしてもいやらしいのにいやらしくないキャラクターって初めて見た。
この作品は1988年9月に「週刊宝石」に書き出されたそうだけど、今でも全く古びていないどころかむしろ新しく見える、これはきっと時代の先見性というより物語に込められた質量が大きいからなんだろうな、あんまり知名度はないけどもっと読まれるべき作品だと思う。